昨日植木鉢で咲いたカーネーションの絵を描いていて
つくづく自分の絵を「ヘタだ」と思いました。
私って恐ろしくヘタだ・・・
でも最近は「だからどうした？ヘタでもしょうがないじゃないか」と思うようになっていて
ヘタはヘタなりに、それとは関係なく生きて行くんだと思います。
今日、たまたま武田邦彦先生の動画を聞いていて
（聞きながらクロッキーをしていて）
ヒトラーは美術大学に入りたかった
絵描きになりたかった、けど試験に受からなかった
という件を聞きました。
武田邦彦の「ホントの話。」番外編・深い話 第49回「歴史を語る」⑨ ナチス・ドイツの抬頭
ヒトラーの絵の話は３３分位から出てきます。
武田先生の「彼は現代美術が嫌いだった」
「普通はこういう人は看板描きとか、宣伝用の絵を描く人になる」というお言葉が
非常に印象的です。
バウハウスとかヒトラーでめちゃくちゃになりましたよね？
確か退廃芸術とされて焼却とかされましたよね？
昔、すごく読んでいた絵描きさんのブログで（お名前を失念、無料で読めなくなって離れちゃったので）
ペンキ絵という言葉がそこかしこに出ていたことを思いだしました。
ペンキ絵は美術評論家としての彼の侮蔑の言葉だと思います。
（お名前は彦坂尚嘉さんです、久しぶりにフェイスブックで拝見しました）
少し調べてみると、ヒトラーとエゴン・シーレはほとんど年齢が変わらないそうです。
となるとクリムトともかぶさってきます。
「ヒトラーの絵は下手だった」という動画を聞いた先入観の上で
彼の絵を見てみます。
本当にヘタだったのでしょうか？
恐ろしくヘタな私が評価するには・・・
普通 という感じです。
これくらいでは当時の美術大学には入れなかったということなんでしょう。
今の時代の予備校に行ければ、きっと日本の大学なら入学できたと思います。
建物の絵が多いのですが
どこか遠近感が狂っているので、建物、建造物が建造物らしく見えません。
私は建物なんぞ全く描けませんので
私に言われたくないでしょうが
どこかおかしい。
どこかおかしいので、３流の絵に見えます。
たくさん描いているので、こういう絵を描きたかったんだとするなら
どこかおかしいのは、残念です。
でも、これはちょっと教えてもらえたら直せると思います。
パースの理屈を知って定規を当てたら、解決するんじゃないかしら。
大学に入れなかった人、専門家になれなかった人に
ヘタと言うのは失礼な気がします。
学校を出ても、専門家になってもヘタと言うのはありだと思いますが。
花の絵はお上手、たしかに古典的です。
犬の絵は少し残念からお上手まで
人の絵はまあちょっとヘタかな？
描きなれていないという感じがします。
彼の絵はおだやかなんですよ
平凡とも言えるし、真面目とも言えるし
面白みがないとも言えるけれど
私には静かで穏やかにしか見えません。
シーレやクリムト、
私の好きな風の花嫁のココシュカ
そういう絵を頭の片隅に入れると
彼の絵には才能を感じません。
古典的な絵なら（花の絵とかなら）いけるのかもしれませんが
時代が変わっています。
武田先生が「彼は古典的な絵が好きだったんですよ」といっておられましたが
じゃ、ココシュカの絵なら廃棄していいという発想に
どこでどうなるのかわかりません。
本当に心の底から「退廃」だと思っていたのかしら？
自分のヘタな絵も退廃の一種ではないのかしら？
彼らに嫉妬したのかな？
憎悪したのかな？
才能の持つ強烈なパワーがヒトラーにはなかったのでしょう。
キャンバスの上で爆発するパワーです。
それはその人の個性でもあるはずで
当然表現にも現れると思うのですが
絵を描くことが好きだった彼が
絵に込められなかった彼の個性
表現できなかった彼のひととなりの不思議を感じます。
ヒトラーの絵を見て「ヘタ」を定義するなら
絵に自信がないんです。
絵がおぼつかないというか
自分自身への自信とか信頼がないから
表現がおぼつかない。
確信があると表現に力が出てくる。
たぶん、ヘタとはそういうことじゃないかと・・・
この方が学校に入れて、好きな絵で看板屋さんになられていれば
もちろん違う人生がおくれたはずです。
惜しい才能
まだまだ眠っていた才能があったかもしれません。
この記事を書いたのは昨日ですが
一晩寝て
最後はリスペクトで終わらないといけないと思い書き加えました。
この絵はこの絵で
悲劇と思います。
絵を描きます